ごあいさつ


私が訪問看護の道を選択したのは1995年のことでした。

当時は「家に帰りたい」という祖父の希望をかなえるだけの地域医療の体制は整っていませんでした。その後、2000年の介護保険の開始に伴い、高齢者の介護や在宅ホスピスケアは20年かけて定着してきました。

 

一方で、病院では入院日数が短期化し、治療の中心は外来へと変化しました。現在、患者さんは治療の副作用・体調の変化・不安な夜などをすべて自宅で経験しています。

 

かつての長い入院中であればナースステーションの看護師に相談できたことも、現在の自宅療養では相談することができません。こういったことへの問題意識から地域のナースステーションである訪問看護師が、通院治療中の方々にも役割を発揮するべきだと感じるようになりました。

 

今はまだ看護の提供者ですが、近い将来、私も住む街 港区で看護を受ける側になるでしょう。医療と社会の大きな課題に向きあったときには、必ず「気づいた人がやるのよ!」という大先輩に叱咤激励され、また周囲の方々の思いに押されて2023年7月から新たな挑戦をすることになりました。

 

自らが受けたい「手厚い看護」を追求し、またその担い手である若い看護師を育てていく訪問看護ステーションとして、みる看る訪問看護ステーションはスタートいたします。

2023年6月

みる看る訪問看護ステーション

所長 賢見卓也

略歴

1975年 兵庫県神戸市生まれ
1999年 兵庫県立看護大学(現:兵庫県立大学看護学部)卒業
1999~2004年 東京女子医科大学病院 集中治療室
2004~2006年 東京女子医科大学病院 脳神経外科病棟
2006~2008年 日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科 卒業 経営学修士
2007~2016年 訪問看護パリアン(墨田区) 訪問看護師
2016~2018年 医療法人社団パリアン 小児科 事務長/看護師
2018~2023年 コパン訪問看護ステーション(渋谷区) 副管理者
2023年~ みる看る訪問看護ステーション(港区) 所長

所属学会・役員

NPO法人 がんと暮らしを考える会 理事長

一般社団法人 日本看護質評価改善機構 理事

一般社団法人 CSRプロジェクト 理事

埼玉県立看護大学大学院 非常勤講師

日本がん看護学会 代議員

日本緩和医療学会 WPG員

執筆・著作・共著書

こんなときどうする? 在宅看護Q&A、山田雅子(編)、メディカ出版、2015
緩和ケアはじめの一歩、林ゑり子(編著)、照林社、 2018
患者さんから制度や家計の相談を受けるとき:院外のリソース がんと暮らしを考える会、賢見卓也、緩和ケア2019年1月号、青海社、2019
訪問看護師のITを使ったケア、賢見卓也、緩和ケア2021年06月増刊号、青海社、2021
看護QIチャンピオンについて、賢見卓也、看護ケアの質評価と改善、医学書院、2022
看護師による社会的苦痛へのケアのために使ってほしいwebサイト「がん制度ドック」、賢見卓也、がん看護 2023年3・4月号、南江堂、2023
がん患者の“終労”支援 〜退職に関連した制度とその意思決定支援〜、賢見卓也、がん看護 2023年5・6月号、南江堂、2023
がん患者の地域医療者・介護福祉関係者の情報共有方法、賢見卓也、緩和ケア2023年5月号、青海社、2023
End of Life ケア: 患者さんと家族を支える、林ゑり子(編著)、照林社、2023