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がん患者さんの社会的苦痛

スタッフがブログを書くということで所長の私自身も負けずにブログをアップします(笑)

今回は「がん患者さんの社会的苦痛」について。

がんに罹患したとき、身体的苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアルペインと4つの痛みを伴うと言われています。

 

そのうちの一つ「社会的苦痛」については、医療機関であまり重視されてきませんでした。


その理由はたくさんありますが「社会的苦痛」が、家族関係・労働問題・経済的問題など範囲が広いことに加え、労働法・経済・制度など医療従事者があまり得意ではなかった分野だったからかもしれません。

 

看護師の私の立場では、がん治療の方法を新たに見出すことは難しいですが、がん患者さんの療養環境を改善するためには、この分野から取り組む余地がありました。

 

専門家と意見交換を行いながら『利用できる制度』を整理し関連図として発表したのは2013年でした。

2023年現在、がんの治療期間が長くなり、薬剤の費用は高額となりました。

患者さんはより経済的な負担を実感する機会増え、こうした取り組みが最近になって一定の評価を得られるようになりました。(写真は看護学生が使う緩和ケアの教科書です。)

 

しかしながら、こうした分野に取り組む医療機関や訪問看護ステーションは、まだまだ多くありません。 

 

仕事の継続、退職の検討、事業承継、世帯収入の低下など、特に20~50代の若い世代のがん患者さんの社会的苦痛をケアできるステーションとして、もっともっと踏み込んだ緩和ケアを行っていきたいと思っています。