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がん患者さんの訪問看護から学んだこと

2007年、墨田区の訪問看護ステーションの門をたたきました。患者さん達は、語りや生き様を通じてたくさんのことを教えてくれました。

 

お一人目は当時、咽頭がんで在宅療養中だった中華料理店のご隠居さんです。

「入院するよりも家がいい。毎日、孫が行ってきますと声をかけてくれる。こんな幸せなことはない。」と話されていました。

 

当時の若かった私にとって『日常』は退屈で、旅行やイベントなど特別なことを楽しみに生活していました。しかし、彼にとっては『日常』こそがかけがえのない大切な時間だったんですよね。

 

時間を濃く味わいながら過ごす患者さんの姿をみて、こういう時間の過ごし方があるんだと教えていただきました。動けなくても、話せなくても、人の思いは深くなる・・・。

 

職場には、25年前のICUの先輩方からの観葉植物と30年前のバイトの先輩からの花が届きました。

人の思いに深く感謝です。